相続時精算課税制度は有益な制度?

2018.06.08

相続・事業承継

今回の記事は「贈与」を考えている方向けになります。生前贈与をお考えの方であれば、本制度を一度はお聞きになったことがあるでしょうか?今回は、制度内容及びどのような方が本制度に適しているのかをお伝えしようと思います。

 

相続税精算課税制度とはどのような制度?

この制度は、60歳以上の親または祖父母から、20歳以上の子または孫への贈与するときに利用することができる制度です。一生の贈与の内、2500万円分までが贈与時には課税されず、相続時にまとめて課税されます。2500万円を超えた部分については、一律20%が贈与税として課税され、相続税計算時には贈与したときの価格で相続財産に加算されます。こちらの制度、一度利用すると自動継続され、途中で撤回できない点に注意しましょう。また、孫へ贈与した際には、代襲相続人でない場合には、相続税が二割加算されます。

 

利用することでメリットを受けられるのはどのような人?

  • そもそも相続税がかからない方

⇒このような方であれば、本制度を利用し、一度に多額の財産移転を行うことができます。

 

  • 値上がりが確実な資産をお持ちの方

⇒値上がりの確実な資産の代表例が、ご自身が経営されている会社の株式です。株価が低い時期に株式移転を行うことで、相続税軽減効果が生まれます。株価を算出したい場合は専門家へ依頼しましょう。

 

  • 不動産の権利を確定したい方

⇒名義を生前に確実に変更できるので、相続時に資産分割で揉める可能性がある方にオススメです。遺留分減殺の対象から外れるわけではないものの、贈与財産は遺産分割の対象から外すことができます。

 

  • 収益物件をお持ちの方

⇒収益物件を生前に贈与することで、贈与者の財産増加を抑えることができ、その結果相続税圧縮効果が生まれます。

 

デメリットはないの?

本制度を利用した場合、金額の多寡に関わらず、贈与税の申告が必要になります。また、その贈与者からの贈与に対し今後暦年課税に戻すことができなくなります(110万円の基礎控除が受けられなくなる)。さらに、対象財産が不動産であれば、相続時に小規模宅地の特例(別記事参照)を受けることができず、また当該財産での物納を行うことができなくなります。それに加え、相続時に比べ不動産免許税が高くなり、不動産取得税がかかることになります。このように、不動産を贈与するのであれば、気を付けるべき点が多数存在しますので、贈与前に専門家への相談を行うことをお勧めします。

 

本制度を既に利用されたことがある方も注意が必要です。というのも、平成27年に相続税改正が行われたことで、以前は相続税課税対象者でなかった方でも相続税がかかってくるようになったかもしれないからです。
相続対策は適切に行うことができていれば、争いが起こらずに済みます。もう一度、節税が効果的にできているのか、納税資金の準備は十分か、相続時に分割で揉めそうな財産がないか考えてみてください。不安な点がございましたら、ぜひご相談ください。

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