なぜ不動産購入は相続税対策になるの?

2018.10.28

相続・事業承継

不動産購入が相続税対策になると聞いたことのある方、いらっしゃるのではないでしょうか。では、なぜ相続税対策になるのか、ご存知でしょうか??今回は相続税の計算方法を明らかにしながら、不動産購入が税金対策になるわけを詳しく見ていきましょう。

 

 相続の計算方法は??

相続税対策を行うためには、相続税に対してきちんとした理解が必要です。まずは相続税がどのように算出されるのかを一緒にみていきましょう。

相続税は主に以下の過程を経て算出されます。

 

(1)相続人全員が受け取る「財産の評価額」を算出する。

(2)「財産の評価額」から基礎控除額を引く。残った金額を各相続人が法定相続分に従って相続を行ったと”仮定”。各相続人の”仮の”相続額を算出する。

(3)”仮の”相続額に対して、”仮の”相続額をそれぞれ算出。それらを合算し相続の総額を算出する。

(4)仮ではなく、実際に各相続人が受け取ることとなった相続額が、相続人全員が受け取る「財産の評価額」に対しどのくらいの割合なのかを算出。その割合に対して、相続税の総額から同等の割合分を算出したもの、これが各相続人の相続額となる。

 

初めて見る方は少しややこしいと感じてしまうのではないでしょうか。それぞれの計算自体は難しくないので、「」「」「総額」に注意しながら以下のケースを想定し、(1)〜(4)の計算方法に従いながら一緒に相続税を計算していきましょう。

 

<ケース1>

父が亡くなり、母と3人の子供が相続人となった。

父が残した「財産の評価額」は9000万円であった。

 

 

(1)相続人全員が受け取る「財産の評価額」を算出する。

(1)の計算はコラムの後半で詳しくお伝えします。今回は指定があるので「財産の評価額」は9000万円です。

 

(2)「財産の評価額」から基礎控除額を引く。残った金額を各相続人が法定相続分に従って相続を行ったと”仮定”。各相続人の”仮の”相続額を算出する。

(2)の計算では、まず基礎控除額を抑えることが重要です。基礎控除額とは税金計算時に差し引かれる金額であるため、税金がかからない金額と言い換えることができます。相続税の基礎控除は以下の計算式で求められます。

 

「 3000万円 + ( 法廷相続人の人数 × 600万円 ) 」

 

今回のケースでは、法定相続人は母と3人の子供の計4人なので、基礎控除額は

 

3000万円 + ( 4 × 600万円 ) = 5400万円

 

つまり、法定相続人が4名だった場合、財産の評価額が5400万円以下であれば、相続税は発生しないということになります。

さて、今回のケースでは基礎控除額を上回っているため相続税がかかります。9000万円から基礎控除額5400万円を引くと

 

9000万円 ― 5400万円 =3600万円

 

ここで、この3600万円に対して、相続人が法定相続分に従って相続を行ったと”仮定”します。法定相続分とは、法律で定められている相続人が相続する割合です。今回のケースにおける法定相続分は、母が1/2、子供は全員合わせて1/2と定められており、3人いるため一人あたり1/6です。金額にすると母の相続分は3600万円の1/2で1800万円、子供は一人あたり3600万円の1/6で600万円が法定相続分となるのです。

 

(3)”仮の”相続額に対して、”仮の”相続額をそれぞれ算出。それらを合算し相続の総額を算出する。

 

相続額に対して相続税がいくらかかるかは以下の表を参照します。

<出典:国税庁>

 

表より、母の”仮の”相続額は1800万円。よって税率は15%、控除額は50万円。

”仮の”相続額は1800万円 × 0.15 - 50万円 = 220万円

子供の”仮の”相続額は600万円。よって税率は10%、控除額はなし。

”仮の”相続額は600万円 × 0.1 = 60万円。

 

これらを全て合わせて相続の総額を算出すると

 

220万円 + 60万円 + 60万円 + 60万円 = 400万円。

これが今回のケースの相続の総額になるのです。

 

(4)仮ではなく、実際に各相続人が受け取ることとなった相続額が、相続人全員が受け取る「財産の評価額」に対しどのくらいの割合なのかを算出。その割合に対して、相続税の総額から同等の割合分を算出したもの、これが各相続人の相続額となる。

 

ここからは仮定の話ではなく、実際にどの程度を相続するかが影響してきます。子供1人が9000万円のうち1/4にあたる2250万円を相続した場合、相続税の総額400万円の1/4にあたる100万円がこの子供の相続額となります。一方、別の子供が法定相続分と同様に9000万円のうち1/6にあたる1500万円を相続する場合、相続税の総額400万円の1/6にあたる66.6万円がその子供の相続額となるのです。

 

 不動産の評価額は市場価格より低い??

相続税がどのように計算されるのかわかったところで、勘のいい方はどこが相続税対策の鍵となるか気がつかれたのではないでしょうか?ズバリ、相続税を抑えるために必要なことは、「財産の評価額」を下げることです。所有している財産の「時価」に比べて、相続における「評価額」を下げることができれば、その分だけ元々支払うはずであった税金を支払わずに済むことになります。この方法の一つに不動産の購入があるのです。

 

例えば現金を相続する場合、当たり前ですが現金はその額のまま課税対象になります。それに比べて不動産を相続する場合、不動産評価額は、家屋は時価のおよそ70%、土地は時価のおよそ80%まで下がるのです。例えば家屋が500万、土地が5000万円の時価があった場合、合計した時価は5500万円であるのに対し、不動産の評価額は家屋が350万円、土地が4000万円となり、合計した評価額は4350万円まで抑えられます。相続における「評価額」が「時価」よりも低く設定されているため、不動産は相続税対策となるのです。

 

まだまだある!!不動産の評価額を下げる方法!!

実は、買う物件を工夫すると、先ほどの減額から更に評価額を下げることができるのです。いくつかご紹介していきましょう。

 

  • 賃貸住宅にする

建物を賃貸にすることにより、建物の評価は、通常の不動産評価額から更に70%とした額で評価されます。つまり、時価の50%以下まで評価額が抑えられるためかなり節税効果が高いと言えます。

 

  • マンションを購入する

実は、マンションにおける相続額の計算方法は、一戸建ての計算方法と少し勝手が異なります。なぜかと言いますと、マンションの場合、一つの土地を一人が所有するのではなく複数の住人がそれぞれの持分で所有しているからです。ただし、その分一人当たりの土地は評価額低く抑えらます。土地と建物それぞれの評価額を算出すると、結果的に時価の3分の1程度にまで抑えられるケースが多く、こちらも相当相続税を抑えられることになります。

 

  • 小規模宅地の特例を利用する

小規模宅地の特例とは、一定の条件を満たせば土地の評価額を大幅に減額するという制度です。例えば、住宅として使っていた土地であり、かつ一定の条件を満たしていた場合、その土地の面積330㎡までを評価額の80%分も減額することができます。これほど大きな減額が見込める制度ではありますが、その分適用条件が少々複雑になっているので注意が必要です。主な条件をまとめると以下のようになります。

この他にも細かい条件があるため、適宜確認することが必要です。ケースとしては限られてしまいますが、減額率がかなり大きいためご自身が適用対象かどうか、調べてみる価値は十二分にあると思います。

 

 

様々な減額方法をご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?なぜ不動産購入は相続税対策になるのか、どのような不動産を購入すれば大きな相続税対策ができるのか、わかっていただけたかと思います。今後皆様が避けては通れないであろう相続問題について、是非この機会に考えなおしてみてはいかがでしょうか?私たちはいつでも皆様からのご相談お待ちしております!

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